夜尿症とは
夜尿症とは、夜間の睡眠時に無意識に排尿してしまうことを言います。
おねしょと呼ばれるのは幼児期(生後1年~6歳)までの場合です。これが小学校を入学してからも続いているという場合を夜尿症と言います。
なお小学生になっても夜尿症が続くことは決して珍しいことではなく、10~20人に1人ぐらいの割合でみられ、人知れず悩んでいるお子さんは多く、これがなかなか治らないことで自信を喪失してしまっている場合もあります。
生活指導や適切な治療を受けることで、早めに解決することもありますので、一度当クリニックにてご相談ください。
原因と治療について
夜尿症の主な原因は、「夜間の尿量が多いこと」と「夜間の膀胱容量が小さいこと」であるといわれています。また、ふたつの原因が合わさって夜尿症を起こしているということもあります。ほかには、膀胱や腎臓の形の異常、心理的なストレスが原因となることもあります。
夜間の尿量がふつうよりも増加して漏らしてしまう場合の原因として、尿量をコントロールする抗利尿ホルモンの夜間分泌不足が症状を招いていると考えられています。夜間尿量を減らすために抗利尿ホルモン薬を使用します。このお薬は尿量を減らす効果があるとされています。
もうひとつの主な原因とされているのが、夜間の膀胱容量が小さいことです。膀胱のはたらきが未熟なため、夜間睡眠中の膀胱にためることができる尿量がふつうより少ない(不安定膀胱)ことで漏れてしまうということです。この場合は、夜間の膀胱の容量を増していく治療が必要です。治療のひとつに抗コリン薬の内服があります。この薬は、膀胱の緊張を緩和させる働きがあるので、膀胱の収縮がこれによって抑えられますので、尿は溜まりやすくなっていきます。
夜尿アラーム(おねしょアラーム)の使用も有効です。夜尿アラームとは、尿漏れを知らせてくれるセンサーを下着につけ、センサーが尿を感知すると「ピッ、ピッ」とアラームが鳴って電子音で起こしてくれる装置です。これを使用することで、睡眠中の膀胱の容量(夜間に尿を貯める力)が増え、また尿意により起きやすくなり、夜尿症の改善が期待できるようになります。
自然に良くなるものだとおおらかでいることも大切ですが、お子さんがおねしょを気にするようになったら当クリニックにお気軽にご相談ください。